DPA-EPS(Dual Pinion Assist EPS) デュアルピニオンアシストEPS

 ショーワはこれまでピニオンアシスト型、ラックアシスト型といったモーター配置の電動パワーステアリング製品を率先して提供してきました。 そして2015年に上市したのが、それぞれのメリットを兼ね備えた、この『DPA-EPS®(デュアルピニオンアシスト電動パワーステアリング)』です。燃費性能に優位性を持つ電動パワーステアリングでありながら、従来の油圧式パワーステアリングと同等以上の、違和感のないステアリングフィールを実現しています。

効率的に出力を得ることが可能

 従来型の油圧式パワーステアリングが基本的に常時ポンプを駆動しているのに対して、電動パワーステアリングは必要に応じてアシスト力を発生させるため、エネルギー消費が少なく燃費性能に有利なことが利点です。また、電気モーターはアシストするだけでなく、反力を制御するなど精密な制御が可能となります。ただし、コラムアシスト式やピニオンアシスト式アシストモーターがハンドル軸にモーターが配置されている電動パワーステアリングにおいては、モーターの振動がダイレクトに伝わる点やドライバーの操作をタイヤにリニアに伝達し難いことが課題となっていました。一方、ラックアシスト式はスムースな操作性では有利ですが、中空の専用モーターを使うことなどからコストダウンが難しい傾向にありました。
 この『DPA-EPS®』は、そうした複数形式の電動パワーステアリングが持つメリットを集約させ、「ラックアシスト式のフィーリングを、ピニオンアシスト式のコストで」をコンセプトに開発されたものです。
『DPA-EPS®』では、ステアリングラックに二箇所のピニオンを設け、ひとつは従来通りにハンドル軸を、もう一つにパワーアシスト用モーターを接続しているのが構造面での特徴です。モーターをハンドル軸から離すことにより、車両のオーバーオールレシオの設定とアシスト用モーターを接続している減速比を個別に設定できることからモーターサイズを最適化しやすく、効率的に出力を得られるというメリットがあります。モーター部に制御ユニットを一体化したことも合わせ、レイアウトの自由度も拡大しました。

スムースな切り始め/切り返し、高いレベルのステアリングフィールを実現

 さらにこの『DPA-EPS®』では、パワーアシスト機構をハンドル軸から離したことで、ステアリングに伝わるモーター由来の振動を抑制しています。加えて、減衰効果を考慮したモーター制御を行なうことにより路面からの不快な入力を低減、ドライバーがすっきりしたフィーリングを感じるようにしています。ステアリングフィールにおいて重視したのは「切り始め」のリニア感です。そのため新しい制御手法を開発したほか、自社テストコースによる実車試験にも注力しています。
 ステアリングの切り始めや切り返しのスムースさの改善には、メカニカルなフリクション特性のコントロールが重要です。微小入力時の応答性を確保するために非接触ホールICセンサーを採用し、リニアな信号を使った精密な制御を行なっています。また、従来のトルクを主としたフィードバック制御にステアリング操作の角速度に対してアシスト量を最適化する制御を加えることにより、高いレベルのステアリングフィールの実現と制振性との両立を狙ったものです。こうした制御面も含めて提供できるのも『DPA-EPS®』の特徴となっています。

DPA-EPS(Dual Pinion Assist EPS)